陰嚢

陰嚢は暗褐色でシワシワの大きな袋です。女性でいえば大陰唇にあたります。
皮膚は仲展性に富んでおり、その内側は肉様膜かおり、さらにその内側に挙睾筋があり、その二重の筋肉組織のコートでできています。

 この筋肉組織のコートは大きくのび縮みします。だから陰嚢は、寒いときや感情が高ぶったり、
驚いたり、恐怖感を感じたときには縮み上かって緊張します。
このときは、腹部の筋肉につなかっている挙睾筋も同時に収縮し、睾丸が上に上がりからだのそばへ引き寄せられます。
そして寒さや外敵から守ります。

 また、非常に気分がリラックスして温かく、周囲に敵におそわれる危険のないときは、陰嚢は筋肉組織がゆるむため、広がって、
のびて、垂れ下がっています。

 また、陰嚢は睾丸と副睾丸をつつんで保護しているほかに、睾丸の環境を体温より4、5度低めの一定の温度に保つという、
温度調節装置の一つとして働いています。

 温度に敏感な睾丸は、温かすぎると睾丸の精子をつくる能力が低下するのです。
それで温かいときは陰嚢が目いっぱいのびて、面積を大きくして熱の発散を助けます。
このように、時と場合により、睾丸は上がったり下がったりするのです。

 女性の大陰唇に相当することからもわかるように、男性にとってたいせつな性感帯の一つです。