思春期の精神的変化

身体的発育と、精神的発育が追いかけっこをしながら不安定に、かつ急速に発育する思春期は、
社会的にも”こども”という身分を失いながら、おとなの世界では中心的地位が得られない
未熟なものとしてみられ、難しい時期です。

 自分自身のこころの中でも「自分はいったい何だろうか、早くおとなになりたい」という心理と、
「いつまでもこどもでいたい」という心理の板ばさみに悩むことが多いのです。

 このため、自我に目ざめ経済力も社会性も未熟だがとにかくひとり歩きしようとする若者と、
いつまでもこども扱いをしてかかる親との間に断絶が起こる時期でもあります。

この重要な時期をいかにうまく成長しきっていくかによって、その後の人生観は大きく方向
が変わるのです。

 内的な性衝動も同様です。月経に対しての不快感と、おそれおののきながらも
一人前の女性になったという喜びと、男性に対する性的な興味とあこがれが、
からだのどこかからムクムクとわき出てきます。

まるで性ホルモンの分泌量と一致しているようです。
それは人間の本能の一種で”性欲”といいます。

 13歳で50パーセント、18歳で88パーセントは感じるものです。
決して不自然なものや不潔なものではありません。
むしろ崇高な生命の尊厳にもっとも近いものです。

 しかし、動物のなかでも人間は社会生活をいとなんでいるため、一定の規律が古代から
営々と守られ、この平和があります。

 一定の規則がしっかり守られるようになるまで、自重して身も心も熟すのを待ちましょう。
本能のままに行動すれば、周囲から制約を受けることになります。