老年期

あなたがまだ若い女性なら、老後なんてほど遠い先のことで、無縁な事がらと感じてい ると思います。

 1995年の国勢調査によれば、65歳以 上の人の人口は、全人口の14・5%を占めており、
21世紀には国民の4人に1人が高齢者という状況になるといわれています。

 また、平均寿命は女性のほうが長くその分、老年期も長いといえます。
 エイジング(加齢)はありとあらゆる生物に与えられた時間的変化で、成長期を経て、成熟期のピークを過ぎると、
退行・萎縮期があります。

 人間ではこの退行・萎縮期を老化・老年期とよんでいます。
40歳から59歳ごろを更年期とすれば、老年期は60歳以後といえます。

 このため、社会的には、この60歳という 年齢を人生の1区切りとして考えます。
この老年期は2段階に分けられ、60歳か ら79歳を老年期前期、80歳からそれ以上を
老年期後期と区分することができます。

 60歳から79歳までの老年期前期は生理 的老化が進み、老人特有の病気が多発してくる時期といえます。
しかし、更年期からこの老年期前期にかけて病気の予防、治療に留意し、体力増進をこころがけ、
社会的にももう一働きしよう、という意気込みがあれば、老年期をいきいきと健康に活躍することも可能です。

 従来の定年とよばれるものが60歳であったころとくらべて、精神的、身体的にも活動年齢が延長された最近は、
定年を65歳にしようという姿勢が各界にみられます。

 80歳以上の老年期後期は、生理的・精神的老化が著しく進み、あらゆる機能の低下は、
もはやさからえないもののようです。

 しかし、長年の人生の起伏を乗り越えた経験と自信は、落ち着いた美しさとともに、
無言のうちににも威厳すら感じさせます。