射精
持続的な勃起中枢からの刺激は、クーパー腺からの分泌液を出させ、亀頭がぬれてきたら射精の準備完了のしるしです。
勃起中枢より上の腰髄にある射精中枢が刺激されると、精嚢腺や、精管膨大部、射精管、前立腺がリズミカルに収縮します。
それにしたがって内圧が高まり、極度に達すると精嚢腺、前立腺、射精管の収縮とともに肛門括約筋、球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)、
座骨(ざこつ)海綿体筋が一挙に収縮して、精液が尿道に排出され、尿道の収縮により尿道囗から勢いよくとび出します。
筋肉の収縮力が強い場合、射精力も強くなります。この射精が男性のオーガズムです。
この時点で、男性は放出したことによる満足感があり、射精を終わると全身の緊張感がとれてここちよい脱力感に変わります。
この間のエネルギー量をはがってみると、200メートルを全速力で疾走したときと同程度ということです。
勃起してから射精までの時間は人によって まちまちです。早漏とか遅漏とかいうのは、この時間の短いか長いかをいうのです。
勃起中枢と射精中枢は別の部位に存在し、射精中枢のほうがより視床下部に近いため、 緊張しすぎると、視床下部が短絡的に射精中枢を刺激するので、
勃起したかと思ったらすぐ射精してしまうことがあります。
ところで、精液の出る通路が排尿の通路とまったく同じ場所であると聞くと、射精のとき尿がまじるのではないかとの疑問がわいてきます。
女性は尿道と腟が別々に存在するのに、男性はセックスも排尿も同じ尿道で行なうのです。
でも心配はいりません。
勃起すると膀胱の収縮力は弱まり、同時に 内尿道口の筋肉が収縮して膀胱内の尿を一滴ももらさないようにしているからです。