不安定愁訴
症状と一致しない自覚症状を訴える場合、これを総称して不定愁訴といいます。
すなわち、多種多彩な症状を訴えてもだれにも理解してもらえず、
医師のもとでも検査所見や診察からは、何の裏づけになるデータも出てこないような症状すべてをいうのです。
まず血管運動神経症状(熱感、のぼせ、冷え症、寒け、不整脈)、
精神神経症状(頭痛、めまい、不眠、耳鳴り、圧迫感、焦燥感、記憶力減退、
ユーウツ、判断力低下、恐怖感、不安感、興奮しやすくなる)、
知覚障害症状(しびれ感、蟻走感、知覚過敏、知覚鈍麻)、
運動器官障害症状(肩こり、腰痛、関節痛、筋肉痛、脊椎痛、座骨痛)、
皮膚・分泌系障害症状(発汗亢進、口内乾燥、唾液分泌増加)、
消化器・泌尿器障害症状(食欲不振、食欲の異常亢進、吐きけ、嘔吐、便秘、下痢、頻尿、残尿感)、
その他疲労感、などなどがあげられます。
これらの不定愁訴が更年期障害の場合に全部出るわけではなく、
人によりこの中から二つ三つを強く訴えるのです。
そしてこれらは内分泌失調にも原因をみますが、主として、女性としての機能の喪失による精神的不安、
老年期を迎えるにあたっての不安やあせり、更年期不正出血その他についてのガン恐怖感、
こどもの独立に対する孤独感、夫や嫁との精神的葛藤、マイホームや夫の事業による経済的危機からの脱出による虚脱感など、
心因的要素が原因となるものが多いのです。
それらはみかたを変えれば、本来くるべきものが、きたるべきときにきただけのものであるのに、
それに対応するこころがまえが不 十分であるために起こる不穏感なのです。
ですから、更年期を現実として受けとめ、その生理システムを理解し、ストレスをためないように、
規則正しい生活を送るようにすることで、かなり症状は軽くなるものです。