15卵巣
左右の卵管の下にぶら下がっています。大きさは親指の頭ぐらいの楕円形(だえんけい)で、
灰白色(かいはくしょく)の表面がでこぼこした感じの臓器です。
胎児期からすでにこの小さな卵巣の中に数百万個の末成熟な原始卵胞(グラーフ細胞)をもっています。
一個の原始卵胞の中に一個の卵子が入っています。
思春期になると下垂体の性腺刺激ホルモンの作用を受けて、原子卵胞はムクムクと発育してきます。
このとき、卵胞は卵胞ホルモンを分泌します。このうちの一個が成熟しきったとき、
直径2、3ミリの卵胞膜をもった成熟卵胞となります。
排卵期になるとこの成熟卵胞は表面が破れて、一つの卵子(0・2ミリ)がとび出します。
これを排卵現象とよびます。排卵が起こったあとの卵胞は黄体となり、黄体ホルモンを分泌しながらしだいに萎縮していきます。
くわしくは月経のしくみの項を参照してください(参照)。
この排卵現象は一般に28日周期で繰り返されます。女性が12歳で排卵を開始し、50歳まで排卵を繰り返しかとすると、
その間に約500個の卵子が排卵されるわけです。
原始卵胞として存在していたそのほかの数100万個は、囗の目をみないで成熟排卵することなく退化消失してしまいます。
一方、排卵によりとび出してきた卵子は卵管采部の繊毛にうまくとり込められると、そのまま卵管を通って子宮へと運ばれます。
その途中で受精が行なわれなければ、腟の外に排出されてしまいます。
卵管采部の動きにうまくのれなかった卵子は、腹腔でそのまま萎縮し、吸収されます。