妊娠と出産

 成熟期を迎えた健康な女性のからだは、男性との性交に支障のないようになっています。
男性の正しい協力さえあれば、性交は大きなトラブルも起こらずに可能なのです。

 また、この時期になると大多数が性衝動をおぼえ、男性を受け入れたいという気持ちが
強くなってきます。
このように心身ともに性交への準備がされるのです。
これはごく健全なことなのです。

 しかし、だからといってすぐに性交に結びつけるというのは早計です。
あくまでも準備ができているということであり、社会的意味も考えなくてはなりません。
一時の衝動で突 っ走るのは、ほかのトラブルを生じかねません。

 ことに成熟したということは、性交に支障がないと同時に、妊娠という、
これもごく自然なできごとを、可能にさせています。

ほかの動物と異なり、現在の人間社会では産めよふやせよという法則はなりたたないのです。
安直に性交、妊娠し、生まれた子はだれかに育ててもらおうとか、無責任に育てようというのでは困ります。
この点はしっかり肝に命 じてください。

 先に述べたように成熟期にある女性では、 心身に異常、障害がないかぎり、妊娠が可能です。
とはいえ、医学的には、からだが成熟し、体力のある成熟期前半の20代半ばから 30代前半が
出産適齢期ということになります。

 なぜなら、母親の年齢が上がるほど高血圧や糖尿病などの合併症が増え、そのため、
妊娠中毒症にかかりやすくなりますし、分娩時間が長引いたり、帝王切開になる率も高くなるからです。

また、ダウン症という先天異常 の出生率も高くなります。出産後の育児の負担も見逃せません。
 その点で、初めてのこどもは20代半ばに産み、何人つくるにしても30代前半には
末のこどもを産み上げてしまうのが理想といえるでしょう。

 しかし、最近は晩婚化がすすみ、出産年齢も高齢化の傾向にあり、30代後半になってから
元気な赤ちゃんを出産する人も以前より増えています。

 ですから「40を過ぎだからこどもはつくれない」と結論づけるのは早計です。
大切なのは、産みたいときに産めるからだでいるということです。

 一方で、不妊症という問題もでてきます。こどもを望んで性生活をおくっていても
2年以上妊娠しない場合、不妊症のおそれがあります。

といっても必ずしも原因が女性にあるとはいえません。
男性の精液に異常があったりしても、不妊につながるので運が悪いなどといってあきらめずに
専門医に一度相談してみましょう。