パートナー(男性)のこと

アダムとイブの神話によると、女とは男の肋骨の一本からできた―― だからウーマン・リブだなんてとんでもないことだと暴言を吐く男性がいます。

 ところが、最近はやりのアンドロロジー(男性を研究する学問という意味)によれば、人間の基本型は女性であり、
その分化の過程において何か大きい力によって、男性は徐々に女性から男性へとつくり変えられたのだとされています。

 そういえば、男のなかの男一匹といえるほど男らしくたくましい男性がいると思えば、男でありながら女よりも女らしい男性もいます。

 原始の時代には男が外敵を防ぎ、狩りをして食料をもち帰り、女は内にいて子孫を産み育て、料理をするのが、
男女のそれぞれの役割でした。

近代文化の進歩は、女性的な男や、男性的な女を生み出し、それがちっとも不しぜんでない社会をつくり上げています。

 すなわち女でも男でもだれでも自分の中には女性的な要素と男性的な要素をあわせもっていて、人によってその要素の現れかたが違うため、
女らしかったり男らしかったりするのです。
 ではもともと女性型である人間の原型が、 どうして男性に分化するのでしょう。

もちろん卵子と精子が受精する瞬間に、その受精卵が将来女性となるか男性となるかは性染色体によって決定されます。
決定はされても胎芽のころにはほとんど女性と変わりません。

 しぜんに発達すれば本来は女性になるところを、睾丸から分泌される男性ホルモンによって女性のクリトリスとなるべきところを
ペニスと化し、大陰唇、小陰唇となるべきところを尿道や陰嚢につくり上げます。
だから本質的には女性性器も男性性器も同じようなものなのです。

 男性ホルモンは生まれてからは、こどもの性格や行動を男らしくする作用もあります。
だから、男性は神経質で、傷つきやすくプライドが高い反面、グイグイと引っぱっていってくれる頼もしい一面があるのです。

 さあ、男性って複雑なのでしょうか。単純な生物なのでしょうか。
では、男性と女性のもっとも異なる部分、つまり生殖器とその機能について述べてみましょう。

 異なる”性”である男性の生理を知ることは、男性をより深く理解するためにもたいせつだし、
男性の不可解な行動に傷つくことも避けられるかもしれません。