[コラム]男と女の性はいつ決まる
人間は、女性のからだの中で、大きい卵子と小さい精子がドッキングした瞬間に、
女の子か 男の子か決まります。
卵子はどれもみんな性染色体として、×染色体を二つもっています。
一方、精子も性染色体をもっていますが、精子の場合は、×染色体をもつものと、
Y染色体をもつものがいます。
×染色体をもつ卵子が×染色体をもつ精子と受精すると、二つあわせてな染色体となり、
これは女の子となります。
もし精子がY染色体を もつものであるならば、貿染色体となって男の子となります。
こうして受精の段階ですでに性を決定づけられた受精卵は、成育して女児、または男児となって
この世に誕生してくるのです。
統計によると、生まれたときに男児105に対して女児100と男児が若干多いのですが、
成長の途上で1年後には、100対100と同数になるといいます。
さらにさかのぽって受精卵で比較すると、男性の数は女性の数の2倍にもなるといわれます。
胎内での成育の途上で流産や早産、また周産期死亡(妊娠後期の死産と早期新生児死亡)などで
死んでしまう率が男性のほうが高いのです。
子宮内で生活を始めた胎児は、胎生5週では大きい頭と小さなからからだで二頭身です。
まるでシラウオのようで、透きとおつだ全身から中の血管系、心臓、肝臓などをみることができます。
しかし、骨格ができていないので、やわらかくもろくゼリーのように溶けてしまいそうです。
その中に男性でも女性でも卵巣とも睾丸とも区別のつきにくい性原基と、将来子宮や卵管になるミュラー管、
輸精管(ゆせいかん)や精嚢(せいのう)になるウォルフ管がみられます。
すなわちこのころの性器は、男性、女性どちらにでもなりうる可能性をもっています。
胎生8週になると、性原基は女性ならば卵巣に、男性ならば睾丸に分化してきます。
さらに、ここがら女性の場合、二本のミユラー管は発達して左右の卵管になり、
その下部は二本が癒合して子宮、さらに腟を形成します。
内からのびてきた腟は外からへこんできたくぼみとぶつかり、そのぶつかった場所が薄くなり、
痕跡となっだのが処女膜です。
用のないウォルフ管は退化します。ここまでになるのに胎生16週までかかりま す。
一方、男性は睾丸から分泌されはじめた男性ホルモンが、ウォルフ管を発達させ、
輸精管、 精嚢腺、射精管とします。
ミュラー管は退化します。すなわち、おなかの中にあった睾丸は30週には陰嚢へ下がります。
男性となるのにはそれなりの努力が必要で、睾丸から男性ホルモンを分泌させないと、
ウォルフ管は分化発達できないため、。”ヒト”はみんな、外見上女性になってしまいます。
以上の一連の性器の分化、発達の結果みられる性器そのものの特徴を、第一次性徴といいます。